第11回
ベヒシュタイン響きの夕べ
〜 美しい響きのためのピアノの発声法について 〜

 1853年、ドイツ・ベルリンでその歴史の幕を上げたピアノブランド、“ベヒシュタイン”。 クラシック音楽だけでなく、即興演奏に重点を置くジャズ音楽の世界でも多く使用される程、 演奏者のイメージがそのテクニックによって適格に表現できます。またその響きの幅は無限の広がりをもっています。
 『ベヒシュタイン響きの夕べ』では毎回著名な講師をお迎えして、その響きの秘密を探り、その可能性に迫ります。今回は“美しい響きのためのピアノの発声法について”をテーマに置き、レクチャー、演奏、レッスンを行います。
 日 時: 2003年 721日(月/祝)
         13:00〜(12:30開場)

 会 場: ユーロピアノ
      東京ショールーム 3Fスタジオ
-------ピアニストは、自分のピアノで演奏会に臨むことができない。 では、この現実にどう対処すればよいのでしょうか? F1ドライバーがマシンのことを知らずにレースに出場することがないように、ステージに立つピアニストはテクニックを磨くだけでなく、ピアノという楽器の内部を知り、その特徴を把握して目の前のピアノに向き合わなくてはなりません。では、私たちはピアノについてどれだけのことを知っているのでしょうか。 ピアニストで作曲家でもあったリストは、より優れた演奏と作品とを目標とし、そのために常に能力の高いピアニストを必要としました。リストをはじめとする作曲家やピアニストとの交流から何度も改良され、時代の音楽とともに進化してきたのが現在のベヒシュタインです。
------ベヒシュタインは、1853年の創業以来「響板での音作り」という一貫した設計コンセプトのもとに楽器を作り続けてきました。厳選された素材と妥協を許さない職人の手によって作られるそのピアノは、透明感のある音色とはっきりとした音像をもち、音の立ち上がりがはやく、演奏者のタッチに敏感に反応することで知られます。さまざまな音色で表現の幅を広げてくれるベヒシュタインは、演奏者の個性を発揮させる能力を十分に持つ一方で、その特性を知らずに演奏する人には弾きにくく感じられる可能性もあります。

 講 師: 安井 耕一

 演奏曲: ブラームス作品116より間奏曲
      ショパン 舟歌、他

 公開レッスン:
  受講曲/ラヴェル
      クープランの墓より
      プレリュード、フーガ、メヌエット
  生 徒/芸大4年生

 入場料: 2,000円

 お申込: 久喜ピアノ調律サービス

-------ピアノは、作曲家の声となるものです。リストは、ドビュッシーは、なぜベヒシュタインを自分の代弁者として選び、生涯にわたって弾き続けたのでしょうか。まずは、その設計・構造から音色の秘密に迫り、ベヒシュタインでの音作り、タッチ、ニュアンスの違いによる響きのコントロール等についてお話しをさせていただき、その魅力をより多くの方々にお伝えしたいと思っております。
安井 耕一[プロフィール]

札幌に生まれる。
道立札幌南高等学校を経て、東京芸術大学音楽学部ピアノ科卒業。
ピアノを横山瑛司、田村宏、水谷達夫各氏に師事。
1977年から1985年までドイツに留学。
コンラート・ハイゼン教授のもとで研鑽を積み、リューベック国立音楽大学を卒業。
その後、ハンブルクをはじめ、各地でソロ、室内楽、リート伴奏等の演奏活動を行う一方、
同大学で講師を勤める。
帰国後は、札幌と東京で毎年リサイタルを開催し、
オーケストラと協奏、室内楽等の演奏活動を続ける。
現在、東京芸術大学、国立音楽大学大学院、各非常勤講師。



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